仮想通貨のエアドロップとは？やり方や参加する際の注意点を解説 

「仮想通貨のエアドロップって何？」「エアドロップで利益を得たい」と考えていませんか？

仮想通貨のエアドロップは無料・格安でトークンを受け取ることができるイベントですが、条件を満たす必要があります。また、受け取り方が分からない人もいるのではないでしょうか？

本記事では、エアドロップのメリット・デメリットや受け取り方を詳しく解説します。

仮想通貨のエアドロップは無料・格安でトークンを受け取れるイベント

仮想通貨のエアドロップとは、仮想通貨の発行元である企業が新たに発行した暗号資産（仮想通貨）やトークンを無償もしくは格安でユーザーに配布するイベントのことです。

エアドロップを行う目的は、新しいプロジェクトやトークンの知名度を高めるために、無料配布することで多くの人に関心を持ってもらう狙いがあります。

加えて、エアドロップをきっかけに、プロジェクトに対する支持者やユーザーコミュニティを形成する狙いもあります。

仮想通貨のエアドロップに参加するメリット

仮想通貨に興味があるのならエアドロップに参加してみることを推奨します。ここからは、エアドロップに参加するメリットを解説します。

1. 無料もしくは格安でトークンをもらえる
2. 値上がりにより多くの利益を期待できる
3. コミュニティに参加して他の投資家と交流できる

それぞれのメリットを順番に見ていきましょう。

1.無料もしくは格安でトークンをもらえる

通常、仮想通貨を購入するためには資金が必要ですが、エアドロップに参加する場合は無料もしくは格安でトークンを受け取ることもできます。

エアドロップで配布される仮想通貨を無料もしくは格安で受け取ることができる理由は、対象の仮想通貨が知名度がなく取引所に上場していないことが多いからです。

資金が十分にない人や初心者でも、無料および少ない費用で仮想通貨を保有できるので、値上がりすれば多くの利益を得られるかもしれません。

2.値上がりにより多くの利益を期待できる

エアドロップにより受け取ったトークンの価値は高くありません。しかし、エアドロップの配布によりプロジェクトの認知度が向上し参加者が増えると、将来的にトークンの価値が大きく値上がりする可能性があります。

特にトークンが仮想通貨取引所に上場した場合、エアドロップの実施時の数倍〜数十倍以上に価値が上がることもあります。

3.コミュニティに参加して他の投資家と交流できる

エアドロップを開催する発行元が運営するコミュニティでは、他の投資家と交流することも可能です。

コミュニティでは、最新の市場動向やプロジェクトの進捗についての情報を得たり、参加者および運営者に質問したりできます。

また、トークンに興味のある投資家のみが参加しているため、意見交換をすることも可能です。

エアドロップをきっかけに築いた関係により、他のプロジェクトや投資でも関わりがあるかもしれません。

仮想通貨のエアドロップに参加する際の注意点

仮想通貨のエアドロップに参加してトークンを受け取れば必ず利益を得られるとは限りません。

エアドロップには以下のような注意点があります。

1. 詐欺に利用されるリスクがある
2. ほとんど値上がりしないことがある
3. 参加条件がある
4. 初期投資が必要なことがある

それぞれの注意点を詳しく見ていきましょう。

1.詐欺に利用されるリスクがある

仮想通貨のエアドロップは、詐欺の手口に利用されるリスクがあります。

なぜなら、「無料でトークンがもらえる」という魅力的なオファーは、多くの人々を引き寄せるため、悪用しようとする人もいるからです。

代表的な詐欺の手口を挙げると、以下の通りです。

• ユーザーに秘密鍵やパスワードを聞いて資産を盗む
• 個人情報を入力させてスパムやフィッシング攻撃をする
• エアドロップを装って実在しないトークンを配布する

このような詐欺に引っかからないためには、公式サイトや信頼できるメディアからの情報のみを信じたほうが良いでしょう。また、エアドロップに参加する場合は、必要な情報のみを提供し、過剰な個人情報の入力を求められたら詐欺を疑いましょう。不明なリンクをクリックしないことも重要です。

エアドロップの詐欺に引っかかると資産を失ったり個人情報を悪用されたりするので、どのような手口があるのか理解しておきましょう。

2.ほとんど値上がりしないことがある

エアドロップにより受け取ったトークンがその後、ほとんど値上がりしないことがあります。その理由は、新規プロジェクトのトークンは、初期段階では需要が低く、自由に売買できないことがあるためです。そして、プロジェクトが成功しなかった場合、受け取ったトークンの価値はほとんどゼロになることもあります。

ただし、エアドロップとほぼ同時に取引所に上場するトークンも増えています。

3.参加条件がある

エアドロップでトークンを受け取るためには、以下のような参加条件を満たす必要があります。

指定された日時に特定の仮想通貨を保有する

多くのエアドロップでは、指定された日時に特定の仮想通貨（リップルやイーサリアムなど）を保有していることが求められます。

指定された日時に仮想通貨を保有していることを証明するために、スナップショット（指定された期間のブロックチェーンの内容を記録する作業）を行う必要があります。

SNSのフォローやシェア

プロジェクトの公式SNSアカウントのフォローや特定の投稿のシェアを条件にトークンを配布することもあります。このような条件を設けている理由は、エアドロップによりプロジェクトの認知度を高めたいからです。

プロジェクトの登録およびタスクの完了

エアドロップに参加するために、事前にプロジェクトに登録し、指定されたタスクを完了する条件を設けることもあります。タスクの内容は、アンケートへの回答やプロジェクトのウェブサイトの訪問、特定のボタンのクリックなどです。

また、ゲームやアプリでレベルを上げたりミッションをクリアしたりすることが条件のプロジェクトもあります。

個人情報の提供

エアドロップに参加する場合、多くのプロジェクトでは、名前やメールアドレスなどの個人情報の入力を求められることが一般的です。

プロジェクト側が個人情報の提出を求めるのは、ユーザーの特定・認証により詐欺や不正行為を防止したり、将来的にニュースレターや特別オファーを送ったりするためです。

取引所の口座開設と取引

取引所の口座開設と取引を条件に設定することもあります。つまり、特定の取引所で一定の取引量を達成したユーザーのみにトークンが配布されるという条件です。

コミュニティやイベントへの参加

プロジェクトのコミュニティやイベントに参加することを条件としているプロジェクトもあります。参加者は、コミュニティやイベントに参加してプロジェクトの最新情報を得ると同時にエアドロップへの参加が可能になります。

4.初期投資が必要なことがある

エアドロップに参加するために事前にトークンを購入したり、特定のプラットフォームに資金を預けたりするなど初期投資が必要なことがあります。

エアドロップに参加する際の費用は、プロジェクトによって異なりますが、一般的には無料〜数万円程度です。

例えば、2023年7月に行われたETHWのエアドロップでは、2022年9月15日12時時点で0.2ETH以上（当時のレートで約45,700円）の保有が参加条件となっていました。

もっと少額から参加できるケースを紹介すると、2024年5月にプレセールが開始されたミームコインSealana（$SEAL）のエアドロップでは、1SOL（ソラナ）投資すると6,900SEALが受け取ることができました。

2024年5月時点のソラナ円の価格は1SOLあたり20円〜29円台だったため、最低30円未満の初期投資でトークンを受け取ることができます。

エアドロップに参加する際は、事前にいくら必要か確認しましょう。

仮想通貨のエアドロップのやり方

仮想通貨のエアドロップを受け取るためには、いくつか準備が必要です。

1. ウォレットを用意する
2. 情報収集と参加条件を確認する
3. エアドロップに登録する
4. エアドロップを受け取る

各手順ごとに詳しく解説します。

1.ウォレットを用意する

仮想通貨のエアドロップを受け取るためには、まずウォレットを用意しましょう。ウォレットとは、仮想通貨を保管する財布のことで、大きく分けるとホットウォレット・コールドウォレットの2種類があります。

ホットウォレットとはインターネットに接続している状態で仮想通貨を保管するウォレットです。送金や取引が簡単な反面、ハッキングのリスクがあります。

一方で、コールドウォレットはインターネットに接続されていない状態で暗号資産を管理できるウォレットのことです。

それぞれのウォレットは、以下のように細かく分けることができます。

ホットウォレット	ウェブウォレット	ウェブブラウザを通じてアクセスする
	デスクトップウォレット	パソコンにダウンロードしてインストールする
	モバイルウォレット	スマートフォンやタブレットにインストールして使用する
コールドウォレット	ハードウェアウォレット	USBメモリのように物理的なデバイスを使用して秘密鍵を保管する
	ペーパーウォレット	秘密鍵を紙に印刷して保管する
	エアギャップデバイス	インターネットに接続されていない専用のデバイスを使用する

多くのユーザーは、MetaMaskやTrust Walletなどのホットウォレットを使いますが、2段階認証やバックアップ機能などセキュリティが強固なものを選びましょう。

また、エアドロップされるトークンに対応しているブロックチェーンのウォレットを選ぶ必要があります。例えば、Ethereumベースのトークンであれば、Ethereumウォレットを利用しましょう。

なお、ウォレットを使う際は、事前にバックアップを行い、シードフレーズやパスワードを安全な場所に保管しておきましょう。

2.情報収集と参加条件を確認する

エアドロップに参加するためには、エアドロップを実施するプロジェクトの公式サイトから情報を得るようにしましょう。そうすることで、最新のアナウンスを逃さずに済みます。

加えて、X（旧Twitter）やRedditなどのSNS・掲示板を活用すれば、他のユーザーからも情報を得ることもできます。また、エアドロップ情報を専門に扱うWebサイトを閲覧すれば、複数のエアドロップに関する情報を一度に確認できます。 

3.エアドロップに登録する

エアドロップに登録する場合は、プロジェクトの公式サイトにあるエアドロップの登録ページにアクセスしましょう。

基本的には、メールアドレスなどの個人情報やウォレットアドレスを入力して登録を完了させます。プロジェクトによっては、SNSのフォローやタスクのクリアなどほかの条件も満たす必要があります。

4.エアドロップを受け取る

エアドロップが実施されると、条件を満たした参加者のウォレットにトークンが送信されます。

受け取ったトークンは、取引所での売却や他のプロジェクトへの参加に利用することができます。とはいえ、この時点で受け取ったトークンの価値は高くないことがほとんどのため、トークンの価値が将来的に上昇するのを待ったほうが良いでしょう。

なお、税金については、上場しているか否かで課税対象となるかが変わります。

取引所に上場している	受け取った時点での時価が所得として課税される
取引所に上場していない	上場して価値が確定するか他の資産と交換できるまで課税されない

2023年〜2024年に開催されたエアドロップイベント

ここからは、2023年〜2024年に開催されたエアドロップについて紹介します。

1. アービトラム（ARB）
2. ドリフト(DRIFT)
3. フレア（FLR）
4. Jupiter（JUP）
5. Hyperliquid（HYPE）

今後も引き続きエアドロップを開催するトークンがあるので、チャンスを逃さないようにしましょう。

1.アービトラム（ARB）

出典：arbitrum

アービトラム（Arbitrum）は、2023年3月23日に以下の条件を満たしたArbitrumのネットワーク参加者に対してガバナンストークンである約2100億円相当のARBトークンをエアドロップしました。

• 過去にArbitrumのネットワークを利用したユーザー
• 特定のプロジェクトに参加したユーザー
• Arbitrumネットワークでガス代を支払ったことがあるユーザー

一般ユーザーに配布されたのは、初期供給量のうち12.75%にあたる12.75億枚のARBトークンで、最小配布数量は625 $ARBトークン、最大配布数量は10,250 $ARBトークンでした。

そして、早期参加者にはより多くのトークンが配布される仕組みが採用されていました。

Arbitrumは、エアドロップを経てすぐにコインベースなど海外の取引所に上場しました。ARBUSDの上場後の値動きを見ると、以下の通りです。

 

上場直後は短期間で上昇しましたがしばらく低迷したものの、2023年10月から2024年初にかけて大きく上場しました。ただし、その後は低迷しています。

2.ドリフト(DRIFT)

出典：drift.trade

ドリフト(DRIFT)は2021年にソラナ（SOL）上で始動して以降、毎年のようにエアドロップを行っています。

2024年5月16日のエアドロップでは、トークンの全体の供給量（1億トークン）のうち12%をエアドロップにあてました。

このときのドリフトのエアドロップでは、参加条件として、「Drift Trader Points」と呼ばれるポイント制度・v1利用の初期ユーザー・保険ファンドステーキング利用者・メイカー&テイカーの出来高などが設けられていました。

ドリフトは、2025年5月にも第2四半期のエアドロップ活動を開始することを示唆しています。

なお、ドリフトは2024年5月16日にCoinbaseやBybitなど大手仮想通貨取引所で上場しました。

DRIFTUSDの上場直後は、あまり大きく上昇していませんでしたが、11月に韓国の大手取引所Upbitでの現物取引の新規取り扱いが報道されたなどの理由により、わずか1か月ほどで0.4ドル台〜一時3.0ドル台まで上昇しました。

3.フレア（FLR）

出典：Flare

2023年1月にフレア（FLR）は、2020年12月12日時点でリップルを保有していたユーザーへフレアのエアドロップ（配布数量の15%分）を実施しました。

配布数量は、リップルの保有量に対して1:1の割合でした。

リップル保有者（2020年12月時点）に対して、当初の15%分のエアドロップが実施されました。また、その後の30か月で残りの85%が配布される予定です。

フレアのエアドロップには、bitbankやCoincheckなど国内の仮想通貨取引所も多く対応していました。エアドロップの配布後にフレアの取扱を始めた仮想通貨取引所もあります。

以下は2023年1月11日からのFLEUSDの値動きですが、上場直後に大きく暴落した後は、しばらく停滞しています。

4.Jupiter（JUP）

出典：Jupiter

Jupiter（JUP）は、Solana上の分散型取引所（DEX）アグリゲーターであるJupiterが発行するガバナンストークンです。

Jupiter（JUP）は、2024年2月のエアドロップにより10億JUを95万5,000ウォレットに配布しました。「JUP」の合計発行枚数は100億JUPと設定されており、そのうち40％（40億JUP）がエアドロップに割り当てられていました。

初回のエアドロップの参加条件は、前年11月2日までに条件にある出来高に達したウォレット（計7億JUP）や、Jupiterを利用したことのあるウォレット（200JUPずつ）、コミュニティメンバー（計1億JUP）が対象でした。

さらに、2025年1月には2回目のエアドロップが実施されています。配布対象は三つの主要カテゴリに分かれており、合計7億JUP（約900億円相当）が以下の割当で配布されています。

対象者	割当される量
ユーザー（取引する人）	4億4000万JUP
ステーカー（ステーキングを行う人）	6000万JUP
キャロット	2億JUP

※キャロットとは、エアドロップ報酬を保持し続けている、JUPを購入・保有量を増加している、または誤ってボットと判断された後に補償される人を指す。

今回のエアドロップは、ジュピターDAO（分散型自律組織）の成長促進が目的であり、「ジュピター」エコシステムのアクティブユーザーをジュピターDAOに誘導することが狙いでした。

加えて取引量・活動頻度といった要素に基づく資格基準、アンチシビル対策の導入などにより不正行為の防止とユーザーへトークンを流通させる取り組みが強化されています。

なお、仮想通貨Jupiterは2024年1月31日に大手仮想通貨取引所であるバイナンスやBybitなどに上場しています。

JUPUSDの上場以降の値動きについては、3月から4月にかけて大きく上昇しましたが、その後は0.6ドル台後半〜1.4ドル台で推移しています。

5.Hyperliquid（HYPE）

出典：Hyperliquid

Hyperliquid（HYPE）は、2024年11月29日に約9.4万ウォレットに総供給量の31%にあたる3億1,000万枚分のHYPEをエアドロップとして配布しました。

配布量は、先物取引量と流動性提供の貢献度により付与されたポイントを基に決定されました。 

また、エアドロップと同日の11月29日にはBybitなど大手取引所でも上場しており、HYPEUSDの価格は、上昇後すぐに12ドル台から35ドル台まで上昇しています。

※こちらのチャートは先物取引のチャートです。

エアドロップは多くのリターンを得られるチャンス

仮想通貨のエアドロップは条件を満たせば無料もしくは格安でトークンを入手できるイベントです。過去には上場後に数十倍以上になったトークンもあるため、将来性があると思ったら参加を検討しても良いでしょう。

ただし、トークンが上場しない場合があることや上場後に価格が上昇しないこともあるため、参加する際は慎重に検討すべきです。

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