市場は中央銀行の動向と雇用統計の発表を警戒する中、NZD/USDは横ばい

市場は、通貨動向や投資家心理に影響を与える可能性がある主要な経済指標と中央銀行の決定に注目しつつ、週の後半に突入している。イングランド銀行の金利決定、米国の失業保険申請件数、カナダの雇用報告に注目が集まっている。これらはすべて、市場変動の引き金となる可能性がある要因だ。一方、NZD/USDはテクニカルとファンダメンタルのシグナルが一致し、上昇トレンドを維持しているものの、グローバルなマクロ経済動向次第で短期的な変動リスクを抱えている。

影響の大きい経済イベント

木曜日 14:00 (GMT+3) – 英国: 公式銀行金利(GBP)

木曜日 15:30 (GMT+3) – 米国: 失業保険申請件数 (USD)

金曜日 17:30 (GMT+3) – カナダ: 雇用変化 (CAD)

チャート分析

NZD/USDは、4月9日の0.54838からの反発をきっかけに上昇トレンドを継続している。この上昇は、反転上昇シグナルである「逆ハンマー」のローソク足パターン形成により支えられている。このテクニカルな展開は、本通貨ペアが0.60279の高値に達する可能性を暗示している。

テクニカル面では、複数のインジケーターが現在の上昇トレンドを裏付けている。モメンタムオシレーターは100の基準線をしっかりと上回っており、買い圧力が続いていることを示している。さらに、相対力指数（RSI）は中立の50のしきい値を上回って推移しており、価格も20日および50日の両指数平滑移動平均線（EMA）を上回って高水準を維持している。これらの要因を総合すると、強い底流のトレンドがあり、強気な市場センチメントが後押ししていると考えられる。

全体的な見通しは依然として上向きだが、短期的な調整や反落の可能性は排除できない。特に、価格が0.58924のレベルを割り込む場合、これは上昇トレンドの弱さを示し、さらなる下落の可能性が開けることになる。

主要な抵抗線

買い手が市場を支配し続ける場合、トレーダーは次の4つの潜在的な抵抗線に焦点を移す可能性がある：

0.60279: 最初の抵抗線は、4月22日に付けた高値の0.60279と推定される。

0.61116: 2つ目の価格目標は、0.60279から0.58924までに引いたフィボナッチ・エクステンションの161.8%に相当する0.61116と予想される。

0.62471: 3つ目の価格目標は、0.60279から0.58924までに引いたフィボナッチ・エクステンションの261.8%に相当する0.62471に設定される。

0.63586: 追加の価格目標は、標準的なピボットポイント手法を用いて計算された週足の抵抗線（R2）を表す0.63586と推定される。

主要な支持線

売り手が市場を支配した場合、トレーダーは次の4つの重要な支持線に注目する可能性がある：

0.58924: 最初の支持線は、5月1日に付けた安値の0.58924である。

0.58145: 2つ目の支持線は、標準的な手法を用いて計算した週足のピボットポイント（PP）と一致する0.58145に位置している。

0.56916: 3つ目の下値目標水準は、0.54838から0.60279までに引いたフィボナッチ・エクステンションの61.8%に相当する0.56916に設定される。

0.54838: 追加の下値目標水準は、4月9日の安値を反映する0.54838に設定される。

ファンダメンタル

ニュージーランドの労働市場は第1四半期に見せた成長は僅かなものであり、失業率は5.1%で横ばい、賃金上昇率も鈍化した。これにより、ニュージーランド準備銀行（RBNZ）による追加の利下げ期待が高まっている。雇用はわずかに増加したものの、労働力参加率は低下し、若年層の労働力参加率は引き続き減少傾向にある。物価上昇率が目標範囲内にある一方、国内需要が依然として弱いことから、アナリストは中央銀行が今年中に現金金利をさらに引き下げて経済を刺激すると予想している。

一方、連邦準備制度理事会（FRB）は、堅調な経済成長と安定した労働市場を理由に、政策金利を4.25%～4.50%で据え置いた。ただし、インフレ率は依然としてやや高水準にある。連邦公開市場委員会（FOMC）は、見通しに関する不確実性の高まりを認め、雇用とインフレの両面におけるリスクが増大している点を指摘した。政策当局者は、データ依存型の姿勢と2%のインフレ目標への取り組みを再確認し、経済状況の推移に応じて今後の調整の可能性に柔軟に対応する姿勢を示した。

結論

グローバルなデータと金利決定の進展が続く中、NZD/USDはテクニカル的に支援されているものの、マクロ経済の動向にますます敏感になっている。市場はイギリス、アメリカ、カナダからの重要な発表に注目しており、トレーダーは本通貨ペアの現在の強気構造を強化する可能性のある要因、またはそれを乱す可能性のある要因に注意を払う必要がある。特に重要な指示線付近で調整リスクが高まっているため、注意が必要だ。