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ゲームストップ株やミーム株の事件で有名になったのがショートスクイーズと呼ばれる現象です。とはいえ、どのような現象か、どうやって判断すべきかよく分からない人もいるでしょう。
本記事では、ショートスクイーズの概要や原因、相場に与える影響を解説します。
ショートスクイーズは、株式市場で発生する特殊な現象です。多くの投資家が特定の株を空売り(ショート)している状況で、その株価が予想外に上昇することで引き起こされます。
典型的なショートスクイーズの流れは、以下の通りです。
ショートスクイーズが発生するためには、多くの投資家が空売りしている必要があります。
下落後に何らかの理由で上昇すると、空売りしている投資家の買い戻しが発生します。
さらに上昇すると、連鎖的にほかの空売りしていた投資家も買い戻しを行うため、ストップを巻き込んで大きく上昇していくのです。
ショートスクイーズが注目されたゲームストップ事件とは?
ショートスクイーズという言葉が個人投資家から注目されるようになった理由は、2021年にゲームストップ事件が起きたからです。
ゲームストップは世界最大のコンピュータゲーム小売店チェーンでしたが、デジタルゲーム配信の台頭により実店舗での販売が減少し、さらにCOVID-19パンデミックによる店舗閉鎖の影響で業績が悪化していました。
この業績不振により投資家の信頼が低下し、多くのヘッジファンドがゲームストップの株を空売りの対象としていたのです。
ここから、以下のような流れで個人投資家によるゲームストップ株の買い注文が殺到して、ショートスクイーズが発生します。
2020年7月 | ・投資家のキース・ギルがYouTubeで同社株は過小評価されオーバーショートしていると主張する動画を公開
・上の主張はRedditの投資フォーラム「WallStreetBets」でも共有される |
2021年1月初旬 | ゲームストップ株は1株約17ドルで取引されていた |
1月中旬 | WallStreetBetsフォーラムでゲームストップ株が注目される |
1月22日 | 株価が65ドルまで上昇、空売り比率が140%に到達 |
1月27日 | 株価が一時380ドルまで急騰し、わずか2週間で株価が8倍以上に |
このような流れで、空売り比率が140%に到達していたゲームストップ株は、わずか1か月で17ドルから380ドルまで上昇しました。
その結果、空売りポジションを取っていた多くのヘッジファンドが大きな損失を被ったのです。
この事件により、ショートスクイーズの威力と個人投資家の集団的な力が注目を集めました。
ショートスクイーズとロングスクイーズやショートカバーとの違い
ショートスクイーズと似た言葉にロングスクイーズやショートカバーがあります。
以下は、ロングスクイーズが起きる流れです。
ショートスクイーズとは逆の現象であることが分かります。
ただし、ショートスクイーズと比べると、ロングスクイーズの発生頻度は少ないでしょう。
次に、ショートカバーは、個々の投資家が空売りポジションを解消するために株を買い戻す日常的な取引行為です。ショートスクイーズのように、市場全体に大きな影響を与える現象ではないため、緩やかに下落することがほとんどです。
ショートスクイーズが起きる要因としては、以下が考えられます。
各要因について詳しく見ていきましょう。
ショート比率が高い株は、ショートスクイーズが起きやすいです。
ショート比率とは、発行済み株式数に対する空売りされている株数の比率を指します。例えば、100万株のうち空売りされている株が30万株ある場合の空売り比率は30%です。
一般的に空売り比率がこの比率が高い銘柄ほど、ショートスクイーズが発生しやすくなり、株価への影響も大きくなります。
空売り比率が20%を超えると「高い」、40%を超えると「非常に高い」とされます。
株価が上昇し始めると、多くの空売り投資家が同時に買い戻しを行わざるを得なくなり、急激な株価上昇につながる可能性が高くなるでしょう。
浮動株が少ない株もショートスクイーズが起きやすいです。浮動株とは、市場で自由に取引可能な株式の数のことです。
浮動株が少ないとショートスクイーズが起きやすい理由は、主に2つあります。
浮動株が少ない銘柄では、市場に流通する株式の数が限られるので、少量の買い注文でも株価が大きく動きやすくなります。
例えば、ある会社の発行済み株式総数が50万株で、そのうち35万株が大株主や役員によって保有されているとします。この場合の浮動株を計算すると15万株です。
50万株-35万株=15万株
つまり、発行済み株式のうち市場で取引可能な株式は全体の30%しかありません。この状況で、仮に3万株の買い注文が入ると、浮動株の20%に相当する大きな需要が生まれるので、株価が急激に上昇する可能性があります。
また、浮動株が少ない銘柄は、空売りした株の買い戻しが困難になる可能性があります。 なぜなら、株価上昇時に、空売りポジションを解消しようとしても、十分な株数が市場にない可能性があるからです。
このように、浮動株が少ない状況では、比較的小規模な買い注文でも株価に大きな影響を与え、ショートスクイーズのきっかけとなることがあるので注意しましょう。
業績改善や新製品発表などのポジティブな材料は、ショートスクイーズを引き起こす重要な要因となることがあります。
これらの材料により株価が上昇すると、空売りポジションを持つ投資家の損失は拡大します。
その結果、損失の拡大を懸念した投資家は、株式を買い戻す動きを見せます。買いが買いを呼ぶ相場になると、株価は大きく上昇するでしょう。
特に画期的な新技術の開発や大型の企業買収などが発表された場合は、ショートスクイーズが起きる可能性があるので空売りしないように注意が必要です。
ショートスクイーズが起きるか見極めることは簡単ではありません。しかし、これから紹介する方法により、予測できる可能性があります。
各方法について詳しく見ていきましょう。
1.空売り比率を確認する
ショートスクイーズを見極めるためには、空売り比率を確認しておきましょう。一般的に、空売り比率が20%を超える銘柄は「高い」とされ、40%を超えると「非常に高い」ので、ショートスクイーズのリスクが高まります。
空売り比率は以下の方法で探せます。
東京証券取引所では、空売り比率が一定以上の銘柄を「日々公表銘柄」として公表しています。日々公表銘柄は、信用取引の残高が多く、取引が過熱していて空売りが集中している銘柄を把握するのに役立ちます。
また、東京証券取引所の信用取引残高等(買いと売りの両方)も確認しましょう。
一方、米国株の場合は証券会社がアプリで空売り比率を公開していることがあります。
2.テクニカル指標を活用する
ショートスクイーズを見極める方法として、テクニカル指標を活用する方法があります。以下のような現象が起きた場合は、ショートスクイーズを警戒しましょう。
急激な出来高の増加 | 大量の買い需要を示唆する |
株価の上昇トレンドの開始 | ショートポジションへの圧力が高い |
移動平均線のゴールデンクロス | 長期的な上昇トレンドの始まりを示唆する |
例えば、短期の移動平均線)が長期の移動平均線を下から上に突き抜けると、ゴールデンクロスが発生するので、上昇しやすくなります。
空売り比率を確認しつつテクニカル分析でもショートスクイーズの予兆が表れていないか確認しましょう。
3.カタリストを見る
カタリストを見ると、ショートスクイーズを予測できる可能性があります。カタリストとは、株価の急激な変動を引き起こす可能性のある出来事や情報のことです。
具体的には、予想を上回る業績発表、新製品の発表や重要な契約の締結、業界全体の好転などがあると、ショートスクイーズが起きやすくなります。
ただし、カタリストの情報のみからショートスクイーズを正確に予測するのは難しいでしょう。ほかの方法と併用して予測の精度を上げることが重要です。
ショートスクイーズが起きた後の株価がどうなるか気になる人もいるのではないでしょうか?
ここからは、ショートスクイーズによる踏み上げ後の代表的なパターンを解説します。
それぞれのパターンについて詳しく見ていきましょう。
1.株価が急落する
ショートスクイーズの後に株価が急落することがあります。主な理由は以下の3つです。
GameStopの事例では、ショートスクイーズによって株価が一時的に480ドル近くまで上昇しましたが、その後の急落で年初の水準を下回るまで下落しました。
2.取引量が減少する
ショートスクイーズのピーク後、以下のような要因により取引量が急激に減少する傾向があります。
取引量が減少したら、ショートスクイーズが終了した可能性が高くなります。
ただし、取引量の急減後は流動性の低下により注文が約定しなくなることもあるので大量の売買注文は避けましょう。
3.市場全体を不安定にしてほかの銘柄にも影響を与える
ショートスクイーズは、ときに市場全体を不安定にして、ほかの銘柄にも影響を与えることがあります。
例えば、一つの銘柄で起きたショートスクイーズがほかの空売り比率の高い銘柄にも波及することがあります。
2021年のAMCエンターテインメントのケースでは、AMC株の急騰とショートスクイーズがほかの「ミーム株」に波及し、主要指数の値動きにも影響を与えました。
また、ショートスクイーズによりリスク許容度が変化し、損失を避けるためにポジションサイズを見直したりストップロスオーダーを設定したりする投資家が増えることがあります。
4.一時的に空売りを禁止または制限することがある
ショートスクイーズ自体を直接禁止する規制はありませんが、多くの国では一時的に空売りを禁止または制限することがあるので注意しましょう。
例えば、以下のような制限があります。
多くの国では、市場の安定性を維持し、過度の投機的取引を抑制するためにこのような制限を儲けています。
一般的に空売り比率が40%を超えたらショートスクイーズを警戒しましょう。安易に売ってしまうと、踏み上げにより大きな損失を被ることがあります。
また浮動株が少ない銘柄やポジティブな材料が発表された銘柄も、ショートスクイーズが発生しやすくなります。株を空売りする場合は、ストップロスオーダーを設定しておきましょう。
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