USD/CAD、関税による急騰を反転、原油高がカナダドルを押し上げ

USD/CAD通貨ペアは、トランプ大統領の関税発表を受けて2月初旬に1.47920まで急騰したが、その後反転し、技術的な弱さとファンダメンタル圧力の緩和により3.3%以上下落した。本通貨ペアは弱気トレンドにあるものの、まだしっかりと確率されたとは言えない。

原油価格の上昇と米国の関税に対する疑念から、カナダドルは上昇した。加えて、国内の好調な経済指標もカナダドルを支えた。一方、パウエルFRB議長が貿易の先行き不透明感があるものの、利下げの緊急性はないと示唆したことから、米ドルは0.37%下落した。

水曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: CPI 前月比 (USD)
水曜日 17:30 (GMT+2) – 米国: 原油在庫 (USD)
木曜日 9:00 (GMT+2) – 英国: GDP 前月比 (GBP)
木曜日 9:30 (GMT+2) – スイス: CPI 前月比 (CHF)
木曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: PPI 前月 (USD)
木曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: 失業保険申請件数 (USD)
金曜日 15:30 (GMT+2) – 米国: 小売売上高 前月比 (USD)

USD/CAD通貨ペアは、トランプ大統領によるカナダからの輸入品への追加関税25%の発表に対する市場の反応により、2月初旬に1.47920の高値まで急騰した。しかし、この強気な勢いは持続不可能であることが証明され、本通貨ペアはすぐに方向転換し、下降トレンドに入った。その後、USD/CADは3.3%以上下落した。この動きは、技術的要因と変化するファンダメンタル力学の組み合わせによって裏付けられている。

技術的な観点では、価格が20日および50日の両指数平滑移動平均線（EMA）を下回ったことで、最初の弱気シグナルが現れ、売り圧力の著しい増加が浮き彫りになった。この見通しをさらに裏付けるように、主要指標は継続的な下方リスクを示している。モメンタム・オシレーターは100の閾値を下回り、相対力指数（RSI）は50のマークを下回って推移しており、いずれも短期的に弱気基調が継続することを示唆している。

注目すべき重要な水準は1.42689の支持線である。この水準を割り込むと、さらなる下落の可能性が出てきて、弱気トレンドが強まるだろう。しかし、20日EMAが50日EMAを下回っていないことは注目に値する。これは、現在のセンチメントは弱気であるものの、より長期的な下落トレンドの完全な確認はまだ保留中であることを示唆している。

買い手が市場を支配した場合、トレーダーは以下の4つの潜在的な抵抗線に注目する可能性がある：

1.43759: 最初の抵抗線は、2月10日に付けた日中の高値と一致する1.43759と予測される。
1.44493: 2つ目の価格目標は、標準的な方法で算出された週足のピボットポイント（PP）と一致する1.44493と予測される。
1.46298: 3つ目の価格目標は、標準的なピボットポイントの手法を用いて算出された週足の抵抗線（R1）を表す1.46298と推定される
1.47920: 追加の価格目標は、2月3日に達成された日足高値を反映する1.47920と設定される。

売り手が市場を支配し続ける場合、トレーダーは以下の4つの潜在的な支持線を考慮する可能性がある：

1.42689: 最初の支持線は、2月5日に記録された最安値を表す1.42689である。
1.41770: 2目の支持線は、11月26日の高値を表す1.41770である。
1.40958: 3つ目の支持線は、1.42689から1.43759までに引いたフィボナッチ・エクステンションの261.8%にあたる1.40958に位置している。
1.39226: 追加の下値目標は、1.42689から1.43759までに引いたフィボナッチ・エクステンションの423.6%に相当する1.39226にある。

カナダドルは、原油価格の上昇と、米国が貿易相手国に課す予定の関税を実際に実施する可能性について市場が疑問を抱いていることを受け、対米ドルで上昇した。トランプ大統領は鉄鋼・アルミニウム関税を課す指令に署名したが、3月12日の発効日とカナダとメキシコに対する高関税の30日間の猶予により、アナリストらはこの措置を交渉の手段と見ている。カナダの主要輸出品である原油価格は3日連続で上昇し、12月のカナダの建築許可件数は11%増加した。また、カナダの10年物国債利回りも上昇し、2月初旬以来の高水準に達した。

一方、米ドルは火曜日に0.37%下落した。これは、パウエル連邦準備制度理事会（FRB）議長が、失業率の低さとFRBの目標値2%を上回るインフレ率の持続を理由に、さらなる利下げの緊急性はないと示唆したためである。また、トランプ大統領が鉄鋼とアルミニウムの輸入品に追加関税を課すと先日脅しをかけたにもかかわらず、トレーダーたちがその実施に懐疑的になったため、米国の新たな関税に対する市場の懸念も和らいだ。

USD/CADは、関税に関するニュースを受けて急上昇したものの、全面的な下降トレンドはまだ確認されていないため、弱気相場の局面にとどまっている。カナダドルは、上昇する原油価格と好調な国内データに支えられており、一方で米国の関税実施に対する懐疑論がさらにカナダドルを押し上げている。逆に、金利引き下げに対するFRBの慎重な姿勢が維持されているため、米ドルは若干弱含んでいる。市場参加者は今後の経済データに注目しており、特に米国のインフレ率と小売売上高は両通貨の動向に影響を与える可能性があるため、今後の方向性を左右するものとして注目されている。