仮想通貨のマイニングが儲からないといわれている理由とは？利益を得るポイント・やり方を解説 

「仮想通貨のマイニングが儲からないって本当？」「個人がマイニングで利益を得る方法を知りたい」といった疑問を持っていませんか？

仮想通貨が誕生してから数年くらいは、個人でもマイニングで多くの報酬を得ることが可能でしたが、近年は難易度が高くなっています。

本記事では、仮想通貨のマイニングが儲からないといわれている理由や個人でのやり方を詳しく解説します。

仮想通貨のマイニングの仕組み

マイニングとは、仮想通貨（暗号資産）の取引を承認し、新しいコインを生成するプロセスを指します。

マイニングが行われる流れは以下の通りです。

1. ユーザーが仮想通貨を送信するとネットワーク内で取引が確認される
2. マイナーは、取引データを含むブロック作成するために複雑な計算を行う
3. 計算が成功すると、ブロックがブロックチェーンに追加される
4. 最初に計算を成功したマイナーのみに報酬として仮想通貨が支払われる

この作業では、マイナー（マイニングを行う人）が特定のアルゴリズムに基づいて計算を行い、一番始めに計算を完了させた人のみが報酬を得ることができます。

仮想通貨のマイニングが儲からないといわれる理由

近年、仮想通貨のマイニングは儲からないといわれています。

なぜなら、以下のような理由があるからです。

1. 電気代が高い
2. 企業との競争が激化している
3. 初期費用がかかる
4. 仮想通貨が下落すると報酬が減る

これからマイニングを始めたい人は、儲からないといわれている原因について知っておきましょう。

1.電気代が高い

1つ目の理由は、電気代が高いことです。

マイニングは、コンピュータの計算能力を利用してブロックチェーンの取引を承認する作業のため、大量の電力が必要です。

マイニングマシンを長時間稼働させると電気代が利益を上回ることもあります。

特に日本は、電気料金が他の国と比べて高い傾向があります。さらに、気温が高い夏場にはハードウェアの冷却にかかる電力も増加するので、冷却設備や安定した電力供給を行う設備の投資費用や維持費を合わせると、多くのコストがかかるでしょう。

2.企業との競争が激化している

2つ目の理由は、企業との競争が激化していることです。

特にビットコインは仮想通貨で最も取引量が多く価値が高いため、企業が最新のハードウェアを大量に導入してマイニングを行っています。

さらに、電力会社と契約を締結する際も有利な条件を引き出すことができ、電気代を低く抑えることが可能です。

そのような企業と比べると、個人では資金・人的資源ともにとてもかなわないため、一番最初にマイニングの計算を行って報酬を得ることは困難です。

3.初期費用がかかる

3つ目の理由は、初期費用がかかることです。

マイニングには、ASIC（Application-Specific Integrated Circuit）と呼ばれる専用のマイニング機器が必要なため、費用が数十万円から数百万円かかることもあります。

さらに、マイニングの機器の設置、冷却システム、電源ユニットを揃える費用もかかります。

個人がそれなりの設備を整えるためには、多くの初期費用がかかるのはもちろん、初期費用を必ず回収できる見込みはありません。

4.仮想通貨が下落すると報酬が減る

4つ目の理由は、仮想通貨が下落すると報酬が減ることです。

マイニングにより安定的に報酬を得られるようになっても、報酬となる仮想通貨の価格が大きく値下がりした場合、実質的に得られる報酬は少なくなります。

また、ビットコインを始めとした一部の仮想通貨には、半減期があります。

半減期とは、マイニング報酬が半分に減少する時期のことです。つまり、半減期を迎えると、同じ労力をかけても得られる報酬が半減してしまいます。

例えば、ビットコインの場合はだいたい4年に1度のペースで半減期を迎えるたびにマイナー報酬が減少しています。

半減期	マイナー報酬
1回目（2012年）	50BTCから25BTCに減少
2回目（2016年）	25BTCから12.5BTCに減少
3回目（2020年）	12.5BTCから6.25BTCに減少
4回目（2024年）	6.25BTCから3.125BTCに減少
5回目（2028年の予定）	3.125BTCから1.5625BTCに減少

仮想通貨の価値が大[小栗2] きく上昇しなければ、獲得できるマイニング報酬は減少していくでしょう。

個人マイナーがマイニングで利益を得る方法

個人でもマイニングで利益を得たいと考えている人もいるでしょう。

ここからは、個人マイナーがマイニングで利益を得る方法を解説します。

1. アルトコインのマイニングを検討する
2. クラウドマイニングを利用する
3. マイニングプールへ参加する

それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。

1.アルトコインのマイニングを検討する

アルトコインはビットコインに比べて競争が少なく、マイニングの難易度が低い場合が多いため、個人でも収益を上げやすい特徴があります。

ASIC耐性のあるアルトコインは、一般的なCPUやGPUを使用してマイニングが可能で、個人マイナーにとっては魅力的です。

例えば、モナコインやライトコインなどは、ビットコインよりも競争相手が少ないので、比較的容易にマイニングできる可能性があります。

ただし、ビットコインとアルトコインでは、マイナー報酬が異なるので注意が必要です。例えば、ビットコインのマイニング報酬は2025年2月時点で3.125BTC（2月1日の日本円換算で4951万5,587.8438円）ですが、イーサリアムは2ETH（2月1日の日本円換算で101万3,253.08円）です。また、アルトコインによっては、報酬が高いものもあります。

2.クラウドマイニングを利用する

 

クラウドマイニングは個人が自分でマイニング機器を購入したり、運用したりすることなく、マイニングサービスを提供する企業に投資する形で仮想通貨のマイニングに参加する方法です。

マイニングの専門知識や高額な設備投資が不要で、機器のメンテナンスや管理も業者が行うため、初心者でも比較的簡単に始めることができます。

クラウドマイニングでは、ユーザーはマイニング業者が提供するプランを選択し、契約を結びます。契約に基づいて、業者が所有するマイニング機器を利用して仮想通貨のマイニングを行い、得られた報酬の一部を受け取ることが可能です。

3.マイニングプールへ参加する

マイニングプールとは、複数のマイナーが協力してマイニングを行い、得られた報酬を参加者で分配する仕組みです。

マイニングプールでは、参加者が自分のコンピュータの計算能力をプールに提供します。プール全体で計算能力を集約することで、新しいブロックを見つける確率が高くなります。ブロックが発見されると、報酬はプールの参加者に分配される仕組みです。

ソロマイニングに比べて、ブロックを見つける確率が高く、より安定した収益を得やすいです。

高性能なマシンを持っていなくても、プールに参加できます。

個人がマイニングで利益を得るポイント

個人がマイニングで利益を得るためには以下のポイントも踏まえておくべきです。

1. ハードウェアを慎重に検討する
2. 電気料金が安い地域でマイニングをする
3. セキュリティ対策を万全にする

各ポイントについて順番に見ていきましょう。

1.ハードウェアを慎重に検討する

マイニングをする際には、ハードウェアを慎重に検討しましょう。マイニング機器は、主にASIC（Application-Specific Integrated Circuit）とGPU（Graphics Processing Unit）の2種類があります。

ASICは特定の暗号通貨のマイニングに特化しており、効率は高いものの、初期投資が高額になりやすいです。一方、GPUは汎用性が高く、他の用途にも使用できますが、マイニング効率はASICと比べると劣ります。

マイニングでは電力を大量に消費するため、予算が許すなら電力効率が高いハードウェアを選んだほうが電気代を抑えられて、利益も増やしやすいです。

2.電気料金が安い地域でマイニングをする

個人が仮想通貨のマイニングで利益を得るためには、電気料金が安い地域でマイニングをしましょう。

電気代が高い地域では、マイニングによる収益が電気代を上回らないことが多いため、赤字になることもあります。

電気料金を抑えるためには、電気料金の安い地域で行いましょう。

また、日本ではなく、カナダ・カザフスタンなど電気代が比較的安い地域に移住するか現地でマイニングを行う設備を整えたほうが、電気代を抑えられます。

3.セキュリティ対策を万全にする

マイニングを行うコンピュータには、最新のセキュリティソフトをインストールしておきましょう。セキュリティ対策を行っておけば、マイニングウイルスやクリプトジャッキングと呼ばれる不正なマイニング行為から保護される可能性が高くなります。

また、ファイアウォールを適切に設定することで、外部からの不正アクセスを防げます。マイニングに使用するポートを制限し、信頼できるIPアドレスからの接続のみを許可する設定をしておきましょう。

マイニングソフトやオペレーティングシステムは、常に最新の状態に保つことが重要です。セキュリティホールが発見された場合、迅速にパッチを適用することで、攻撃のリスクを減少させることができます。

加えて、マイニング用のアカウントやウォレットには、強力なパスワードや二段階認証を設定することで、セキュリティを強化しましょう。

獲得した仮想通貨を取引所に保管することは盗難リスクが高いため、オンライン接続されないハードウェアウォレットに保管しておくことを推奨します。

マイニングのやり方

 マイニングのやり方は、以下の手順に沿って進めます。

1. ハードウェアを準備する
2. ウォレットを作成する
3. マイニングプールに参加する
4. マイニングソフトをインストールする
5. マイニングを開始する

ここからは、詳しい手順を見ていきましょう。

1.ハードウェアを準備する

まずは、ハードウェアを準備しましょう。ASIC、GPUなどから選びます。

マイニングする仮想通貨によって適したハードウェアがあります。例えば、ビットコインのマイニングにはASICが推奨されますが、イーサリアムの場合はGPUが一般的です。

また、冷房危機対策として、追加の冷却ファンや水冷システムの購入も検討しましょう。

ハードウェアを購入したら、電源ユニットを用意して、接続します。マイニングにはインターネット接続が必要なため、ルーターに接続して設定を行います。

2.ウォレットを作成する

次に仮想通貨を保管するウォレットを作成しましょう。ウォレットには大きくわけて以下の3種類がありますが、セキュリティリスクを考えると、おすすめはコールドウォレットかハードウェアウォレットです。

• ホットウォレット
• コールドウォレット
• ハードウェアウォレット

コールドウォレットを作成する場合、オフラインで使用するウォレットソフトを公式サイトからダウンロードし、インストールと初期設定を行います。バックアップ用のフレーズやパスワードを設定し、ソフトを使用して新しいウォレットアドレスを生成しておきます。

ハードウェアウォレットの場合は、信頼できるメーカーからデバイスを購入し、接続して初期設定を行いましょう。バックアップフレーズを必ず記録し、デバイス上で新しいウォレットアドレスを生成します。

ウォレット作成後は、二段階認証も設定しておくべきです。

マイニングプールに参加する

続いて、マイニングプールに参加します。

マイニングプールを選ぶ場合は、手数料、報酬の分配方法、サポート体制などを比較検討し、選んだプールのウェブサイトでアカウントを作成しましょう。

マイニングプールの選定基準は規模の大きさです。

大規模なプールは計算時間が短く報酬を得やすいですが、報酬の分配が少なくなる可能性があります。一方、小規模なプールは、参加者が少ないため、ブロック計算にかかる時間は長くなりやすいですが、報酬は多くなる傾向があります。

4.マイニングソフトをインストールする

次にマイニングソフトをダウンロードしましょう。一般的には、CGMinerやBFGMiner、NiceHashなどから選びます。

基本的には、プールが推奨するソフトウェアをインストールしましょう。

ソフトウェアの設定を行い、マイニングプールのURLやアカウント情報を入力することで、マイニングソフトウェアがプールに接続できるようになります。

5.マイニングを開始する

ここまでの準備が整ったらマイニングを開始しましょう。

プールのダッシュボードでは、マイニングの進捗や報酬の状況をリアルタイムで確認できます。

マイニングにより一定の報酬が貯まったら、ウォレットに引き出すことができます。事前に引き出し手数料や最低引き出し額についても、確認しておきましょう。

個人でマイニングをするならクラウドマイニングやプールマイニングにする

現在個人がソロマイニングで十分な利益を得ることは困難です。なぜなら、個人よりも企業のほうが、多くの資金で設備を整え、多くの人員でマイニングの計算を行うことができるからです。個人がこれからマイニングをやるなら初期費用が多くかからないクラウドマイニングかプールマイニングを検討しましょう。報酬を分配しなければなりませんが、マイナー報酬を獲得できる確率はぐんと高くなります。

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