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「恐怖指数(VIX指数)って何?」「なぜ投資家から注目されているの?」といった疑問を持っていませんか?
恐怖指数は平常時よりも金融危機や新型コロナウィルスなどで相場環境が不安定なときに注目されている指数です。
本記事では、恐怖指数の見方や目安、トレードへの活用方法を解説します。
恐怖指数とはVIX指数(Volatility Index)とも呼ばれ、米国の株式市場における投資家の心理を数値化した指標です。恐怖指数は、シカゴ・オプション取引所(CBOE)が算出しており、主にS&P500種株価指数を対象としたオプション取引のボラティリティ(変動率)を基にしています。
恐怖指数の見方や目安
恐怖指数(VIX指数)は、投資家が市場の先行きに対してどれほどの不安を抱いているかを示すもので、数値が高いほど市場の不安定さや恐怖感が強いことを意味します。
恐怖指数の数値に基づく市場の状態の目安は以下の通りです。
10~20 | 市場は安定しており、投資家に大きな不安はない状態 |
20を超える | 投資家の不安が高まっていると判断される |
30を超える | 強い警戒感を持っており市場の値動きも不安定になっている |
40を超える | 非常に高い不安を持っている |
恐怖指数が10〜20であれば、市場が安定しているので警戒する必要はありません。しかし、20を超えた場合は、投資家の不安が高まっておりさらに数値が上昇する可能性があります。そして、恐怖指数が30を超えてくると相場が不安定になるため、注視するべきです。
1990年以降の恐怖指数(VIX指数)の推移
ここからは、1990年以降の恐怖指数(VIX指数)の推移を見ていきましょう。
恐怖指数は、平常時は30未満で推移しています。しかし、アジア通貨危機が起きた1998年、アメリカの同時多発テロが起きた2001年、リーマンショックが起きた2008年、新型コロナウィルスによるパンデミックが起きた2020年などは数値が大きく上昇しています。
特に2008年や2020年は、恐怖指数が80を超えました。
恐怖指数(VIX指数)が急激に上昇する場合、基本的には以下の2つの原因が考えられます。
それぞれの原因を詳しく見ていきましょう。
1.突発的な事件の発生
1つ目の原因は、突発的な事件の発生です。投資家は市場の先行きに対する不安を抱き、リスク回避の行動を取るため、VIX指数が上昇しやすくなります。
代表的な例を挙げると、2008年の金融危機や2020年の新型コロナウィルスによるパンデミックなどがあります。
2008年のリーマンショックでは、投資家の心理に深刻な影響を与えたことで、VIX指数が96.40に達しました。
2020年の新型コロナウイルスのパンデミック時には、新型コロナウィルスへの不安や経済活動の停止によりVIX指数が85.47に達しました。
突発的な事件は、ほとんどの人が予期していないことが多いため、VIX指数が大きく上昇しやすい傾向があります。
2.VIXショック
2つ目は、VIXショックと呼ばれる恐怖指数が急激に上昇する現象です。
VIXショックが起きる原因は、経済指標の悪化や地政学的リスクの高まりなどが原因で、投資家の不安が増大することやオプション取引においてプットオプション(下落を予測する)の需要が高くなることです。
代表的な例を挙げると、2018年の米国でのVIXショックがあります。2018年2月に米国の金利上昇やインフレ懸念への影響により米国株式市場が急落したことで、恐怖指数は一時50を超えました。
VIXショックの場合、気づいたときには大きく上昇しているため、対処は難しいかもしれません。
恐怖指数(VIX指数)が急激に上昇する際は予兆があることが多いです。主な予兆を挙げると以下の2つがあります。
それぞれの予兆について詳しく見ていきましょう。
1.地政学的リスクが高くなる
1つ目の予兆は地政学的リスクが高くなることです。地政学的リスクとは、特定の地域における政治的・軍事的・社会的な緊張の高まりが、その地域はもちろん、世界経済の先行きに不安を与えるリスクのことです。戦争や内戦、経済制裁や政権交代、テロなどがあります。
過去に地政学的リスクが高くなり恐怖指数が上昇した例としては、1990年の湾岸戦争があります。1990年にイラクがクウェートに侵攻した際、恐怖指数は20を超えるほど急上昇しました。また、2011年には欧州で債務危機が深刻化し、ギリシャのデフォルト懸念が高まった影響で、恐怖指数が30を超えています。
このように戦争や経済的なリスクが起きると恐怖指数が上昇する可能性があります。これらの地政学的リスクがニュースなどで報道され始めたら、恐怖指数の上昇を警戒しましょう。
2.経済指標の悪化
2つ目の原因は、経済指標の悪化です。
経済指標が悪化すると、投資家は市場の先行きに対する不安を抱くようになります。代表的な例を挙げると、失業率の上昇やGDP成長率の鈍化、インフレ率の急上昇などがあるでしょう。
これらの指標が悪化した場合、企業の収益見通しが暗くなり、株式市場全体に対する信頼感が低下することがあります。投資家はリスク回避の姿勢を強め、オプション取引においてボラティリティが上昇するため、VIX指数も上昇します。
ここからは、過去に恐怖指数(VIX指数)が大きく上昇・下落した状況について簡単にまとめました。どういった状況で恐怖指数が大きく変動するか気になる人は、ぜひ参考にしてください。
年月日 | 恐怖指数の値動き | 主な原因 |
2024年8月5日 | 一時65.73まで上昇 | 世界的な株価下落 |
2020年3月19日〜4月前半 | 30を下回る水準まで下落 | 米国政府や連邦準備制度(FRB)による大規模な経済対策の発表 |
2020年2月24日〜3月18日 | 大きく上昇 | 新型コロナウイルスの感染拡大に対する懸念の高まり |
2018年12月 | 一時30を超えた | ・米国の経済成長に対する懸念
・連邦準備制度(FRB)の金利政策に対する不安 |
2018年2月 | 13から50を超えた | 世界同時株安 |
2015円8月後半 | 一時的に82%上昇 | ・中国経済の減速懸念および世界的な株安
・中国による人民元切り下げ |
2011年8月〜10月 | 48まで上昇 | ・欧州の債務危機
・アメリカの経済成長に対する懸念 |
2008年9月〜12月 | 96.40まで上昇 | ・リーマン・ブラザーズの破綻
・金融危機の深刻化 |
恐怖指数はトレードに活用可能です。
それぞれの方法について順番に見ていきましょう。
1.投資家心理を確認する
恐怖指数をトレードに活用する際は、まず投資家心理を確認しましょう。恐怖指数の数値を見れば、投資家の不安が大きいか小さいかをある程度理解できます。
恐怖指数が20を超えると不安が高まっており、30を超えると不安が非常に大きくなっています。
2.売りでエントリーして大きな利益を狙う
恐怖指数が上昇すると、投資家が市場に対して不安を感じているため、S&P500やNYダウ、日経平均株価などの主要な株価指数と株価は下落する傾向があります。
例えば、以下は上側が恐怖指数、下側がS&P500のチャートです。恐怖指数が上昇している時期にはS&P500は逆に下落していることが分かるでしょう。
また、VIXが上昇している際にS&P500は下落する傾向があるので、2つの指数を見比べてみると、投資家のリスク回避の姿勢を判断できるでしょう。
特に恐怖指数が20を超えた場合は、今後も恐怖指数は上昇し、株価指数の下落が続く可能性があります。
逆相関の関係を利用して、恐怖指数が上昇しつつあるときに株価指数を売れば大きな利益を得られるかもしれません。
3.保有ポジションを減らす
恐怖指数が高くなっており市場が不安定なときは、株や株価指数などの保有しているポジションを減らしたほうが良いでしょう。恐怖指数が上昇すると、これらの価格は下落しやすいため、大きな損失を被る可能性があります。
保有ポジションの一部あるいは全部を決済すれば、下落による含み損の拡大を抑えられるでしょう。
恐怖指数が大きく上昇する前に、保有ポジションを売却することを推奨します。
4.オプション取引で大きな利益を狙う
恐怖指数を逆に活用して大きな利益を狙いたい人にはオプション取引をおすすめします。オプション取引とは、特定の原資産についてあらかじめ定められた価格や期間で売買できる権利を売買する取引方法です。
オプション取引にはコールオプションの買いと売り、プットオプションの買いと売りがあります。
種類 | プレミアム | リターンとリスクの大きさ |
コールオプションの買い | 支払 | リターン:無限大
リスク:プレミアムの金額のみ |
コールオプションの売り | 受取 | リターン:プレミアムの金額が最大
リスク:無限大 |
プットオプションの買い | 支払 | リターン:原資産の価値がゼロになるまで増える
リスク:プレミアムの金額が最大 |
プットオプションの売り | 受取 | リターン:プレミアムの金額が最大
リスク:原資産の価値がゼロになるまで増える |
※プレミアムとは手数料のことです。
プットオプションとは、株価が下落をした際に利益を得られる方法です。
恐怖指数の上昇時は株や株価指数が大きく下落しやすいため、プットオプションの買いを購入すれば多くの利益を得られる可能性があります。
なお、オプション取引で下落時に利益を得られる方法として、コールオプションの売りを選ぶこともできますが、こちらのオプションは株や株価指数が上昇すると損失が無限大に拡大するリスクがあるのでおすすめできません。
株式やFXのトレーダーは、恐怖指数(VIX指数)が大きく上昇してから対処していたのでは、保有ポジションの含み損が拡大する可能性があります。
よって、恐怖指数が上昇する予兆をつかんだ上で、保有ポジションを減らしたり資産の下落で利益を得る方法に投資したりする必要があります。
なお、投資信託のように長期投資が前提の方法で運用している人は、恐怖指数が大きく上昇してもパニックになって売らないようにしましょう。売却するよりも価格が回復するまで待ったほうが良い結果になりやすいです。
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